昨今の建設機械のトレンドで「自動運転」が進んでいることはご存知ですか?「自動運転」と聞くと、普通自動車がニュースで取り上げられていることが多いのですが建機業界においてもホットな話題なんです。

建機版自動運転推進事業が建設機械のICT化であり、国交省も力を入れている事業の一つになっています。ICTは”Informartion and Communication Technology”の略称で情報通信技術のことをさし、省力化・効率化・高度化を通しての建設現場の生産性向上を目指すものになります。

具体的にどのようなものがあるかというと、建設機械にセンサーや衛星通信用アンテナ等を多数搭載し、車両の位置や姿勢を自動制御することで、オペレーターの作業を簡略化する技術のことを言い、代表的な例としてキャタピラーの「Cat Connect Solutions」、コマツの「スマートコンストラクション」、コベルコ建機の「ホルナビ」などがあります。

全社共通の機能として操縦補助が含まれており、事前に取得しておいた3次元設計データを入力することで、簡易的な操作だけで設計面に沿って施工ができ、掘り過ぎの防止ができる「3Dマシンコントロール」機能や作業範囲を指定することによって、現場作業員の安全性を確保することができる機能など、重機の操縦経験が少ないオペレーターでも安定した施工が出来るようになっています。

メーカーが建設機械の完全自動化をすすめる背景には建設現場の深刻な人手不足があった

こういった機能は既に導入され、現場における生産性の向上に多大な貢献をしていますが、実は「半自動運転」の機能でとどまっており、オペレーターの補助機能にまでしか至っていないのが現状です。

そこで、メーカー各社は建設機械の完全自動化に向けた取り組みを加速しています。

実は、各メーカーがこぞって開発を加速していることには建設現場の深刻な人手不足が背景に隠されているのです。

建設現場には「3K」のイメージがついて回ります。3Kとはキツイ・キタナイ・キケンの頭文字を表した言葉のことですが、その代表格として現場が扱わることも度々あります。

そういったことから、作業者を募集しても集まらず、尚且つ熟練の作業者が定年により退職を余儀なくされており、人員が常に不足しているのが現状なのです。そこで、人手の確保が難しいならばいっそのこと車両を自動化してしまおうというのが国、及びメーカーの考えのようですね。

確かに、建設機械の代表格ともいえるショベルに関しては公道を走ることはありませんので、道路交通法や保安基準などの法規制対象にはなりません。そういった点からも自動運転技術の導入には自動車と比べると幾分かハードルが低くなっており、国も積極的に推進を進めているというのが実態です。

もちろん、自動化することによって現場作業員の命が失われるようなことがあれば、大きな問題になりますので、メーカー各社は並行して、安全性の強化を進めています。

今後の建機のICT化における課題としては、ICT建機の価格を下げることと、更なる認知度の向上が挙げられます。

ICT建機の値段は同サイズのショベルと比較をしても、かなり高額となっており、普及のためには価格の低減が急務であることが考えられます。価格が下がり、購入する人が増えれば認知度は自然と向上していくはずです。

建機の技術開発がさらに進み、2020年頃までには無人の車両が現場で作業をしているかもしれませんが、そういった大きな変化によって未来の建設現場は3Kからかけ離れた現場へと変貌を遂げているかもしれませんね。